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最大級の渓谷美に魅了

 「下ノ廊下」は、黒部ダムから欅平まで、雄大な渓谷美を誇る黒部峡谷探訪コースである。
 黒部川は、黒部ダムを境に上流部の「上ノ廊下」、下流部を「下ノ廊下」と分けられ、今日では手軽に入山できる「下ノ廊下」は人気コースになっている。

 「下ノ廊下」探訪は、紅葉シーズン入山したい。このレポートは、9月末の山行のため、紅葉シーズンより早く、極彩色の写真にはほど遠いものになった。しかし、迫力は充分伝わることを確信する。

 コース整備は、毎年秋口には完了の予定だが、前もって確認をとるようにしたい。

刻々と変化する渓谷美に大感激

黒部ダムの放水
黒部ダムを仰ぎ見る
 松本駅で東京方面から来る特急に乗り換え、信濃大町へ朝一番に着く(5:40)。駅から扇沢までは、乗り合わせのタクシーで向かう。相変わらず扇沢のバスターミナルは、一般観光客と登山者で賑わっている。始発のトロリーバスで黒部ダムへと向かう。

 8時、トロリーバスの終点、黒部ダム駅から、ダムサイトへの出口へ向かわず、トンネル構内の「内蔵助谷、旧日電歩道、仙人ダム方面」の標識に従って屋外へ出る。少し下ると近道の指導標があり、ここから急降下してダム堰堤の最低部へ出る、黒部川に架けられている木橋を渡って左岸へ。行楽シーズンはダムの放水があり霧状になっ水分で周囲はずぶ濡れだ。しばし河原を進と、やがて灌木の中を出たり入ったりして行くと黒部川は左へ大きく曲がる。小さな沢を渡り、左頭上に丸山東壁が迫ってくると、内蔵助平、ハシゴ谷乗越からの道が合流する(9:00)。

 内蔵助谷に架かる木の橋を渡り、黒部川本流の左岸に沿って進む。頭上には黒部別山南峰から続く大タテガビンの岩壁が迫り、灌木とガラガラとした岩の間を縫うように進むと標識があり、対岸の沢が黒部川へ流入する鳴沢小沢合流点だ。もう一踏ん張りで榛ノ木平に着く(9:40)。

 小休止後、樹林の中を高巻く。崩壊した場所が所々あるが細心の注意して抜けると前方が開け、間もなく対岸に新越ノ滝が落下している。新越沢合流点に着く(10:20)。

 少し高巻いて進むと、谷は益々狭くなり、黒部別山側から切れ落ちている大タテガビンの沢と本流の合流点は、至る所に上部から落下した雪が残っている。状況によっては、この上を乗っ越して行くことになるためかなりの危険を伴う。更に黒部別山谷出合までは、絶壁の真下を行く。やがて前方に黒部別山谷が深く落ち込んでいるのが見えてくる、ルートは、絶壁の岩盤に半トンネル状にくり抜かれた屏風岩の大へつり通る。ルートにはワイヤーがしっかり張られ思ったほど危険度は低い。だが道幅が狭く天井が低いのでザックを岩にひっかけたり、足を踏み外したりしないように充分注意する。大へつりを通過すると黒部別山谷の合流点に着き少し早いが昼食をとる(11:20)。

 合流点は雪の塊で埋まっている、バシゴで10bほど下り対岸の水平道に登り返す。ここから「下ノ廊下」核心部の白竜峡の始まり、本流に沿って右へ曲がると対岸に手が届きそうな程狭くなり、絶壁に付けられた道は岩が頭上すれすれに迫っている。頭と足元の両方に注意しながら進む。黒部川は足先の巨岩の間を流れ、浸食で美しく磨き込まれた巨岩と水が織りなす渓谷美が現れる。対岸からは下のタル沢の滝が落ち、その景観美にうっとり。


大タテガビンの水平道 内蔵助の出会 榛ノ木平付近
巨岩を縫うように流れる黒部川 新越ノ滝
黒部別山から落下した雪塊 雪塊の下をれる本流(1) 雪塊の下を流れる本流(2)
雪塊の下を流れる本流(3)黒部別山谷付近