第一日 | 第二日 | 第三日 | 第四日 | 行程山小屋ガイド | MAP



高山植物が一杯の雲ノ平へ

 7時、山荘を出発。今回は、雲ノ平へ向かう行程を紹介する。他に水晶池を経由し岩苔乗越から三俣山荘へ向かうルートがある。

 まずは、高天原峠へ昨日の道を登り返す。峠からは、指導票に従って左のルートに入り雲ノ平へと登る。樹林帯を尾根通しに進と、やがて岩角や木の根に助けられ、急傾斜を登る。樹林帯から出て周りが開けると傾斜も緩くなり、草原に出る。振り返るとでっかい薬師岳が一望できる。ここは、すでに曇ノ平の一角である。急登で疲れた身体を休める場所を探し適当な場所で小休止をする。

 この先、書物で紹介された記事を思い出しながら苗代ノ原、詩ノ原、岩壁ノ原と名付けられたハイマツと草原の急斜面を分け入って登ってゆく。

 登りが緩み、前方に赤牛岳、水晶岳の山容が見えてくると、奥スイス庭園らしいが高山植物も池塘もなく露岩と草原が広がる荒涼とした風景だ。写真で紹介されたような庭園の趣はなく少々がっかりだ。背景の薬師岳、正面の赤牛岳、水晶岳が印象深い。

 やがて無人コロナ観測所の近くを通る。行く手前方には、雲ノ平の中央部に横たわる溶岩台地が広がる、一度下って溶岩台地のまっただ中をアップダウンしながら進と。最後の登りでギリシャ庭園に出る。ここからは、一面のハイマツ帯に浮かぶ三俣蓮華岳、黒部五郎岳、祖父岳の美しい光景に出会う。

 赤い屋根の雲ノ平山荘へ向けてハイマツ帯を下る。木道が敷かれた草原を歩いて雲ノ平山荘に着き、早めの昼食を採る(11:00)。

 11時40分、木道を祖父岳方面に向かうとやがて雷岩の岩塊でる。ここでスイス庭園への道を左に分け、祖父沢源頭のキャンプ指定地を過ぎるあたりが祖父庭園でギリシャ庭園からの道と合流する。数週間雨らしい雨が降っていないためか、高山植物は全滅、咲き終えた後の白い胞子を付けたチングルマノが辺り一面に広がる。

 左に祖父岳山頂、右に三俣山荘の道を右に。祖父岳の西を巻いて進む道は、ハイマツと池塘が散らばる日本庭園だ。ハイマツとチングルマと黒部五郎岳の組合せが素晴らしいと紹介されているものの期待はずれの様相だ。やがて地図では、残雪の残る第二雪田あたりを通過するが、残雪はなく岩稜の上を第一雪田へと向かう。第一雪田にも残雪はなく、急降下する地点で小休止(12:30)。黒部源流を手前に、奥には槍ケ岳の勇姿をフィルムに記録できる撮影タイムだ。三俣山荘の赤い屋根が尾根上に確認できる。

 黒部源流へ道は急下降してゆく。滑らないように足元に充分注意し慎重に行動しよう。黒部源流を渡り、対岸のハイマツの道を喘ぎながら登り返すと三俣山荘の前出る(13:40)。ザックを下ろし宿泊手続きを済ませる。まだ早いせいか宿泊客も少ない。もう1時間ほど過ぎれば宿泊客で一杯になるだろう。

 3時を過ぎる頃、槍・穂高連峰に雲が架かり始め、夕映えの槍が岳と北鎌尾根のシャッターチャンスが訪れるか、祈るような気持ちで撮影場所の下見に向かう。カメラをセットし、食堂に戻りコーヒータイム。雲はあれよあれよという間に切れ始め、槍の勇姿が雲一つない空に浮かび上がる。贅沢を言えば少しぐらい雲を残してほしかった。

 槍が赤く染まり始め、周りからシャッター音が響き、その一瞬を一斉に記録し始める。

奥スイス庭園付近から望む祖父岳
雲ノ平の木道から祖父岳を望む 黒部源流への下りから見た槍ケ岳
ギリシャ庭園付近から三俣蓮華岳を望む 夕映えに染まる槍ケ岳