第一日 | 第二日 | 第三日 | 行程山小屋ガイド | MAP

極上の別天地、涸沢

 北アルプス南部、穂高連峰登山のベース基地として年間を通して賑わう。
 夏でもカールには雪渓が残り白と緑の目映いばかりのコントラストは、眼上に展開する穂高連峰をさらに迫力あるものにする。また、秋の紅葉シーズンはナナカマドを筆頭に三段紅葉で彩り、プロ、アマの写真家に創造意欲を掻き立てる。
 ここ数年涸沢を訪れていないが何度でも訪れたい、そんな別天地だ。ここでは、秋の紅葉を満喫できるコースを紹介する。
 涸沢の紅葉はその年の気候に大きく左右され、ベストの年になかなか巡り会えない。また、期間が極めて短く、それは、ほんの3〜4日で変化する。私の様に仕事に追われている者としては、偶然を祈るしかない。



秋色深まる涸沢目指して

 やっとの思いで休暇が取れ、10月の第2週始めテントを担いで涸沢へ向かう。このシーズン交通機関は不便で夏のシーズン中よく利用する夜行の直通バスもなくなり、乗り継ぎを重ね上高地へ入る。

 さすが上高地、早朝から一般観光客、登山客で賑わいをみせる。河童橋の袂では、記念写真を撮るグループに捕まり、シャッターを押す。河童橋付近の紅葉はまだ早く期待を抱いて横尾へ向かう(7:00)。

 小梨平キャンプ場脇をすり抜けて梓川の左岸を行く。鬱蒼とした樹林の中を、まずは、明神を目指し黙々と歩く。陽の差さない早朝は空気も冷たく、クマザサは夜露でみずみずしく、体内の浄化を促しているかのようだ。所々に桂の木が黄色く色づき、紅葉の到来を感じるが、林道は針葉樹林が多く赤く染まる広葉樹が少ない。前方が開け明るくなるころ明神に着く(7:40)。

 300〜400bほど進と白沢の橋を渡り、徳本峠からの道と合流する。余談にはなるが、徳本峠へ約3時間30分で登れ、上高地から望む穂高連峰とは、視点が違う。トレッキング気分で上がってみたい。

 徳沢へ向うと、至る所に古池を左に見る。樹林帯の静かな道が続き、やがて古池沢を抜けると視野が開け唐松の倒木や、立ち枯れの河原近くを行く。対岸に前穂東壁が見え、道は梓川の岸部を大きく右に巻いて徳沢の橋を渡る。昔牧場だったといわれる徳沢に着く(8:20)。

 静かな森の中を歩く、左の梓川架かる新村橋を見る。やがて林道は営林署避難小屋の前を通り、横尾に着き小休止(9:30)。登山者の大半は、涸沢方面の道を行く。少数だが、槍沢方面に向かう登山者ある。時間があれば、この頃の槍沢、氷河公園(天狗池)へも入ってみたい。

 横尾山荘を後に槍沢に架かる横尾橋を渡り、針葉樹林とササの中をしばらく行と緩やかな登りが始まる。数カ所のガリーを通週する頃、封岸はナナカマド、ダケカンバの紅葉がピークを迎えている。無意識に視線は上へ、すると屏風岩が覆い被さるような迫力で行く手の厳しさを暗示している。登山道は横尾谷の左岸を進み、やがて本谷橋に出る(10:50)。小休止

 橋を渡って、樹林の中をジグザグの岩の道をたどり、ぐんぐん高度を稼ぐと、やがて屏風ノ頭の縁を大きく曲がり込む。周りは、ナナカマドが真っ赤に染まり対岸の緑とのコントラストが素晴らしい。前方が開けると間もなくのガレ場に着く。ここから前穂から奥穂の吊尾根が眼前に広がり、周辺の紅葉は徐々に深みを増し、ナナカマドも葉が落ち、真っ赤な実を一杯付け、紅葉の終演を告げ始めている。

 正面に穂高連峰の巨壁を見ながら、階段状に付けられたガレ場の登山道は結構きつく、ペースがぐんと落ちる。登山道の分岐が現れる。左は涸沢ヒュッテ、右は涸沢カールの北穂沢末端のテント場、涸沢小屋へ。涸沢ヒュッテヘの道をとる。左に前穂北尾根のパノラマコースを見送り、涸沢ヒュッテに着く(13:00)。

 涸沢ヒュッテの前を通りテント場利用の受付を済ませ、北穂沢に近い場所にテントを張る。


早朝の河童橋
焼岳を望む 徳沢付近からの前穂
徳本峠から穂高連峰を望む 涸沢への登り
涸沢ヒュッテと吊尾根 涸沢テント場と涸沢槍、北穂
ナナカマドと涸沢槍(1) ナナカマドと涸沢槍(2)