行程第一・二日第三日第四日第五・六日
 
8月12日(日)

 5時に朝食を済ませ、前日の雨で濡れた雨具衣類をパッキングして外に出る。

 6時、雨の上がった空は所々に青空が顔を出している中、川出さんと二俣へ向かう。200b程進むと雪渓で夏道が消え雪渓の左岸を歩く。ここでの注意は、雪渓の中央を歩かないで左岸に近いところを慎重に進む。しばらく下ると左岸の赤い旗印が目に入り夏道へと戻る。この先ルートは河原を歩いたり高巻き道へ入ったりしながら難所、ヘツリを通過する。(鎖やロープが付けられて慎重に)数日前ここで滑落し死亡者が出ている。一度高巻き道に入って河原に下ると、やがて前方に黒々とした近藤岩の巨岩が見えてくる。二俣はすぐそこだ。
 6時45分二俣で小休止。川出さんとここでこの後のルートの確認をする。状態が良ければ北俣を登って池ノ平経由仙人池へ向かうことにする。その結果は間もなく明らかになる。

 7時、二俣の橋を渡り100b程進むと、北俣の情報を表記した案内板がある。通行可能の文字とルートを確認後、北俣雪渓へと向かう。今までは、仙人新道を利用して仙人池にたどり着いていたが、今年は友達と二人、心細さも消え、何時もと違う北俣の雪渓ルートに挑戦。

 まず北俣の橋近くの大岩を乗り越え沢の中の小石の上を水ずに落ちないよう注意をして、雪渓の端にとりつく。
 雪渓に上ったら中央を慎重に登る。注意点は、北俣の右岸(小窓雪渓)へ入らないように左岸の雪渓を注意深く観察することが必要だ。北俣に入ってすぐに雪渓が無くなり、右岸に赤い旗印とケルンを目印に雪渓を離れて河原を行く。やがて前方に雪渓が崩れ左岸の雪渓の縁をトラバースする危険な箇所が現れる。目印はしっかりと付けてありルートを見失うことはないが、朝早い時間は雪が硬くスリップしないように最善の注意が必要だ。
 難所を通過した後はひたすら雪渓を登る。この頃から雨が降り始める。雨具の上着とリックカバーを着けて先に進む。北俣の左岸に沢が見えてくると雪渓から池ノ平へ登る登山道の赤い旗と岩のペンキ印のが容易に確認できる。
 8時30分、雪渓から灌木帯の登山道に入る。ロープが所々に付けてあり危険な箇所はない。ジグザグ道を一歩ずつ確実に高度を稼ぐと右手前方の山腹に仙人峠からの道が見え隠れする。しばらく登りが続き、左右の岩を越えると池ノ平池の一番奥まったところに出る。辺り一面草原で、小屋から眺めるとちょうどすり鉢の底に無数の池塘を配した箱庭のようだ。小雨は降り続けている中、急いで草原を通り抜け乗越に建つ池ノ平小屋へと向かう。

 9時30分、池ノ平小屋到着。小屋の新井さんはじめ顔見知りの常連客の出迎えを受け、30分程話し込んだ後、明日伺う約束をし仙人池に向けて出発。
 10時10分、仙人峠に着く頃雨も上がり峠から待ちに待った仙人池ヒュッテの赤い屋根が見える。もう一息だ。

 10時30分、仙人池に到着。母さんの笑顔で疲れも消え…?この安堵感は表現のしようがない程だ。「早かったね。そのまま風呂に入らんせ。」の言葉にリックも降ろさず風呂場へ直行。雨で濡れた物を脱ぎ捨て、冷え切った身体を檜の湯船にゆだね、極上の贅沢を独り占めする。濡れた物は全て乾燥室に吊し、部屋を確認して荷物を移す。
 さっぱり気分で母さんに挨拶とお土産を渡す。常連さんの顔がまだ無く、僕と川出さんが本日の一番乗りのようだ。午後にはあらちゃんが着く予定。
 仙人池ヒュッテは積雪で玄関、トイレ、風呂場が押しつぶされ、小屋開けから大変な修復をしたそうだ。今年のスタッフは、母さんはじめ、孫の新太くん、桑原さん、女性の(名前を伺うことを忘れました)お手伝いさんの総勢4名で小屋を切り盛りしている。
桑原さんが相沢さんの変わりに手伝われていることが判明。彼との面識はないのだが、秋のシーズンいつも小屋を手伝っているそうだ。どこか相沢さんと相通じる、とても働き者で温厚な方だ。
 昼食後、のんびり小屋の皆さんと雑談をしていると、雨の中を重そうな真四角のリックを担いだ、水野さんがやってくる。彼とも一年ぶりの再会を喜ぶ。
 遅れること2時間、14時過ぎ、一人の登山客が訪れる。玄関先で挨拶を交わして彼が噂のあらちゃんと判明。ネット上の彼とはお友達でありながら面識がまるで無く、あのイラストを描くイメージとは相反する元気印の無鉄砲あらちゃんにびっくり。彼から事前の連絡で数名のパーティーでここに泊まるはずなのだか、なぜか一人きりの到着だ。挨拶もそこそこにして、びしょ濡れ状態の彼を風呂場へ案内する。風呂に入り人心地着いたあらちゃんを川出さんに紹介し、まずはビールで乾杯。彼の話から今回の予定はあるリーダーのわがままからキャンセルになった事を伺い、彼一人でもここに来てくれたことに大感激をする。
 15時過ぎ常連客の一人、稲垣さんが屈託のない笑顔で到着する、

 今年7月末から8月の上旬、天下のNHKの取材があり、再び10月の小屋締めの頃二度目の取材予定で、11月頃オンエアーされるらしい。日程が決まり次第連絡を頂けるとのことで、楽しみがまた一つ増える。内容は、母さんの人間模様?か定かではない。

 17時過ぎ本日の夕食の準備が出来、1回戦で食事を頂く。相変わらずメニューの豊富さと美味しさに感激して箸が進む。食事を終えて自室でごろごろ、2回戦の食事が終わるのを待つ。19時30分片づけも終わった食堂で泊まり客の面々と山の話しで盛り上がる。
 21時消灯時間、床に入り雨音と共に眠りにつく。遠くで雷鳴が轟き、天候の回復を予感させる。

北俣の情報を記した案内板

最初の雪渓が終わる。雪渓の右岸に目印がある

右岸におり 河原を進むと、 再び雪渓に上がる目印がある。

難所の雪渓を注意して進む。

難所の雪渓を振り返る。

北俣の雪渓

雪渓から登山道への目印がある。

池ノ平の池塘群

川出さんとあらちゃん