一日第二日第三日・第四日






10月8日

 4時30分、部屋に明かりがついて目が覚める。窓の外はほのかに明るくなって来ているが、早立ちの登山客は出発の準備を始めてる。のんびり山紀行の我々は、全員でご来光を迎える準備をする。10月の山は流石に寒く風よけも兼ねた雨具を着て、カメラを担ぎ小屋裏へ向かう。安曇野は、すっぽり雲の下、見上げる空は薄い雲が架かり快晴とはいかない。5時50分頃東の空が明るくなり始めて来ているが、果たしてご来光を拝むことが出来るか心配だ。案の定、予想は悪い方に傾き、赤く染まる雲海、モルゲンロードも見ることが出来なかったが、遙か彼方には富士山、南アルプスの山並みは、くっきりと浮かび上がっている。

 6時30分、朝食をいただきに食堂に向かう。体調の優れなかったメンバーも、完全とまではいかないものの、朝食を美味しそうに召し上がる。一安心。食事後フロントに連泊を申し出、荷物の移動を済ませる。

 アタックバックに昼食と水を詰め込んで玄関先に集合。あたりは、すっかり明るくりて薄日が差しこみ、高瀬渓谷の紅葉が綺麗だ。7時30分、燕岳山頂目指して出発。花崗岩が風化してローソクのように林立する景色に誘われて、粗目の登山道を快調に進む。軽いアップダウンを繰り返して、燕岳山頂に8時20分到着。まずは、山頂からの360度パノラマを満喫。この後訪れる北燕岳の奥には、立山連峰、剱岳から後立山連峰の針ノ木岳等々の勇姿を望むことが出来る。

 山頂から少し下って広々とした鞍部に出ると、この付近はコマクサの群生するお花畑だ。いまは、茶色くなった株が至るところにある。ここでしばしのコーヒータイムとする。ここから望む北燕岳は2、3の峰を合わせ持った風化の進んだ岩山と下方から登ってきた紅葉とのバランスが絶妙だ。登山道は途中で東沢、餓鬼岳方面へ向かう巻道を分ける。 山頂へは、右に急騰するとすぐに山頂である。

 山頂からは餓鬼岳方面の稜線が手に取るようにうかがえ、針ノ木岳が一段と近づいて見える。思い思いの記念写真を記録した後10時30分帰路につく。常に槍ケ岳を望みながらの帰路は僕の一番好きな稜線歩きだ。欲を言ったら青空とお日様がほしい。せっかくの紅葉が錆び付いている。燕岳の高瀬側に付けられた巻道を通って燕山荘へ向かう。昼食時間にまだ早いため、途中で昼食にする予定をやめ、小屋前のベンチで昼食を取ることに変更する、それでもまだ早く登山道からはずれ花崗岩の岩によじ登ったり、雑談をしながら小屋前まで戻る。

 11時30分、昼食準備開始。山の贅沢品、それは重量の重いもの。実は、スパゲッティーのゆで麺と、レトルトのルーである。2台のバーナーでお湯を沸かし、麺とルーを暖め、それを合わせて食べる簡単なスパゲッティーなのだが、実に美味しい。下界で食べればなんて事無いメニューでも、山で味わう感動ものの食事だ。

 午後の予定は、蛙岩までの稜線歩きを楽しむ予定だ。蛙岩までは表銀座の縦走路(喜作新道)を進む。12時30分、小屋前の道標に従って縦走路へはいる。低いアップダウンの登山道は高瀬側に付けられ、所々稜線の上に出て幾つかのピークを越す。20分程で巨岩が覆い被さってくる蛙岩の核心部に着く。巨岩の間を縫うように進み最後に安曇野側を巻いて蛙岩の先に出る。13時10分、開けた場所を探してコーヒータイム。

 この頃になると怪しげな風が落ち始める。どうも天気が下り始めている。

 13時40分蛙岩を後に燕山荘へ向けて歩き出す。14時20分燕山荘に戻ってくる。早々にフロントで今夜の宿坊を聴き、本館2階の二段ベットの下で休息をとる。夕食の17時30分までのんびりテラスに出るもの、喫茶室に行くもの思い思いの時間を過ごす。16時過ぎ、霧に混じって細かい雨が降り始める。

 17時30分食事の時間になり、従業員の案内で席へと着く。嬉しいことに連泊組は、食事内容が違っている。昨日より泊まり客が少なく三交替のスケジュールのため、食事終了後19時30分から食堂でオーナーのミニコンサートは開かれる。

 食堂は泊まり客の大半が参加してのコンサートだ。アルペンホルンの演奏とオーナーの山体験談等で、楽しいひとときは過ぎていく。20時30分床に潜る。

   燕山荘オーナーの赤沼さん
朝の富士山、南アルプスを望む(1)
朝の富士山、南アルプスを望む(2)
燕山荘テラスから槍ケ岳を望む(1)
燕山荘テラスから槍ケ岳を望む(2)
燕岳山頂から常念山脈を望む
双六、三俣蓮華、黒部五郎、鷲羽岳
水晶、真砂、野口五郎岳
北燕岳、遠景は、立山、剱、針ノ木岳
北燕岳、中景は、餓鬼岳、遠くに後立山連峰
 
(左燕岳から燕山荘を望む (右)北燕岳から燕岳を望む
山腹の紅葉 穂高・槍ケ岳を望む
燕山荘 山腹の紅葉と燕岳
花崗岩の奇岩と燕山荘 蛙岩から槍を望む



10月9日

 5時過ぎ、目が覚める。5時30分の朝食を食べて、下山の準備にかかる。外は、小雨が降っている。雨具を着込んで6時30分燕山荘を後にする。

 登ってきたときとの景色とはまるで違い、白い雲と紅葉の終わり茶褐色に色あせた木々の神秘な世界も、心が落ち着くようで僕は嫌いではない。

 7時30分合戦小屋にて小休止後、富士見ベンチへ向かう。登山道を木の根で足を滑らせないよう慎重に急降下する。

 8時20分、富士見ベンチに着き小休止。10分後に移動開始。登山道には登ってきたときよりも落ち葉が積もっている。

 9時10分、第三ベンチに着き小休止。10分後に移動開始。

 10時、第二ベンチに着き小休止。10分後に移動開始。

 10時50分、第一ベンチに着き小休止。10分後に移動開始。先頭を歩くメンバーの疲労が進み、かなりペースが落ちてかなり辛そうだ。後少しと声を掛け合いながら励ましての下山になる。中房温泉の赤い屋根が見え隠れすると、800b程下って登山口に出る。11時30分駐車場に着き、めいめいの荷物を片づけ、町営有明荘の温泉へ向かう。

 町営有明荘の露天風呂で山の垢を洗い流す。極楽極楽。

 12時40分、有明荘を出発して、穂高町のそば処「常念」に向かう。途中道に迷いながら14時20分遅い昼食を食べる。