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10月7日

 5時30分頃起床して薄暗い中テントをたたみ、登山準備を済ませ、リックを担ぎさあ出発。駐車場を後にアスファルトの道路を500bほど登ると、中房温泉の歓迎看板とバス、タクシー乗り場のある広場に出る。トイレ、売店(このシーズンはお休み?)の脇から登山道は始まる。軽い朝食を済ませて7時過ぎに登山道に入る。登山口から見上げる山腹の紅葉は陽があたってキラキラ輝いている。いよいよアルプス三大急登の一つ、合戦尾根の登りが始まる。

 まず、第一ベンチへ。50bほど進と、針葉樹と広葉樹の山腹に付けられたジグザグ道の階段状の急登を一歩一歩上がる。やがて地形は、尾根状になると間もなく第一ベンチに着く。中房温泉へ1.0q、燕山荘へ4.5q、標高1660bの指導票があり、太い丸太で出来たベンチでは休憩を採る登山者で一杯だ。10分ほど休み、8時5分に第一ベンチを出発する。

 相変わらずの急登が続き、ぐんぐん高度を稼ぐ。やがて合戦小屋の荷揚用のケーブル下を通過すると、少し下って第二ベンチに着く。中房温泉へ1.7q、燕山荘へ3.8q、標高1820bの指導票がある。ほぼ400b標高を登って、少し疲労を感じる頃だ。20分の中休止の後、8時55分、第三ベンチへ向けて出発。

 この付近から登山道はもろい花崗岩のすり減った階段状の踏み跡を、一歩一歩進むようになる。40分強で第三ベンチに着く。中房温泉へ2.5q、燕山荘へ3.0q、標高2000bの指導票がある。10分の休憩後9時50分出発する。

 進につれ木々の紅葉が登山道から見え隠れし始める。急登が和らぎ樹木の根が縦横無尽に這う尾根道を過ぎ、急登すると富士見ベンチに着く。このベンチから富士山が望むことが出来る事から名付けられたようだが過去に登ったときも富士山を見ることが出来なかった。今回もあたりは、ガスがたちこもり視野がない。中房温泉へ3.1q、燕山荘へ2.4q、標高2200bの指導票がある。15分休憩後10時55分合戦小屋に向かう。

 周りの木々も低くなり色づいた木々の紅葉が一段と鮮やかさを増す。途中合戦小屋まで7分と3分の指導票がある。行く手のこんもりとした森に向けて一登りすると合戦小屋(2350b)の広場に着く(11:40)。広場の北斜面は、鮮やかに紅葉した樹木が山頂に向けて広がる。今登ってきた登山道の脇にも黄色の葉に真っ赤な実を付けたナナカマドが印象的だ。

 ほぼ予定通り合戦小屋に着き、グループの中から脱落者が無かったことに安堵し、昼食の準備を始める。メニューは湯を注いでバーナーで暖めるだけの簡単なドライフードを3,4種類と玉子スープである。最近この手の食材が実に美味しくなっていて、初めて食べる人から評判がいい。軽くて大変便利だ。昼食後のデザート、リンゴ、コーヒーをいただいて出発の準備をする。

 12時50分、リックを担ぎ出発。周囲のガスが取れ、青空が覗き始める。登山道は紅葉した木々の間を縫うように登るようになり、「素晴らしい、綺麗。」の声とともにカメラを取り出し思い思いにシャッターを押す。各駅停車のご一行さんだ。

 2489b三角点に13時20分着く。安曇野を埋める雲海と常念山脈の山容が美しく、遠くに槍ケ岳の勇姿を望むことが出来る。この時、今回の山行が成功したことに確信する。
2500bを過ぎると、紅葉も終わりかけていて、ナナカマドの実と茶色くなった葉は、筒状に丸まり風でも吹けばあっという間に落ちてしまいそうだ。燕山荘建つ峰までもう一踏ん張りだ。

 燕山荘(2680b)に14時40分着く。燕山荘前からは、常念山脈、穂高連峰・槍ケ岳、笠ケ岳、双六岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳、野口五郎岳、烏帽子岳、立山連峰、剱岳、針ノ木岳の大パノラマが広がる。2000メートルを越す山々の山腹は、ペンキで塗り分けたような紅葉の等高線に見える。

 宿泊手続きを済ませ、別館へ向かう。今年から別館から本館へは館内に連絡通路が出来、わざわざ靴を履いての移動は無くなった。案内された時、3階の屋根裏部屋の泊まり客は、我々のグループだけで、余裕があるのかなと思ったのも一瞬の事で、あっという間に登山客で一杯となる。600名収容の大きな山荘も連休となれば満杯だ。

 部屋に戻り夕食まで思い思いの時間を過ごす。僕は結局一眠りしたため、裏銀座の山々に落ちる夕日と赤く染まった雲を記録することが出来なかった。

 夕食は泊まり客が多く、4回に分けてのもので、我々の食事は3回目の18時30分からになっている。

 全員で本館食堂へ移動し、従業員の指示に従い配膳されたテーブルに着く。メンバーの一人は、初めての登山で、疲労と軽い高山病のためか食事が進まない。少し心配だ。

 食事しながら、燕山荘オーナーの赤沼さんのオンステージだ。まずは、挨拶から始まり山の注意事項と知っててお得な情報を巧みな話術で進む。オーナーいわく「今年は、紅葉がないと思っていました。2週間遅れてこんな素晴らしい紅葉は、30年間一度もなく、また、ここ3年ほど紅葉は無かったので、今年のお客さんは、ラッキーです。」全員拍手。いよいよアルペンホルンの演奏が始まる。今回で3度目の演奏を聴くのだが幾度聴いても感激する。食事後、部屋に戻り体調の優れないメンバーを気遣いながら床にはいる。
中房温泉の登山口
第一ベンチ (1660m)
第二ベンチ (1820m)
第三ベンチ (2000m)
紅葉の合戦尾根登山道
富士見ベンチ (2200m)
紅葉(1)
紅葉(2)
紅葉(3)
合戦小屋 (2350m)
合戦の頭から遠く槍を望む
登山道から燕山荘、燕岳を望む 後立山連峰を望む
燕山荘から燕岳を望む